医療保険 ガイド
医療保険の比較サイト契約時の注意点
■保険は契約という認識
保険加入に際して、明確な目的を持っている人は意外と少ないものです。「何かあったときのために」とか「入らないと不安だから」「勧められたから」など、曖昧な加入動機であることが多いようです。また、加入目的と商品内容がミスマッチというケースも散見されます。このようなことを防ぐため、契約前に契約内容をしっかりと確認しましょう。
保険は契約ですから、契約要件を満たさなければ保険金や給付金は受け取れません。保険料を払っていれば、困ったときに助けてくれるというものではないのです。契約時には「ご契約のしおり」という冊子が交付されます。「ご契約のしおり」には、契約に関する重要事項や契約者と保険会社の間で取り交わす約束を記した約款が合本されたものです。この約款部分にどういったときに保険金や給付金が支払われるかが記されています。つまり、保険契約の商品性にあたる部分です。死亡時に保険金を支払うという商品であれば誤解のしようはありません。しかし、災害割増や生前に給付されるタイプのものは、約款に記された要件に基づいて支給するかしないかを保険会社が決めます。キチンと確認しないままではイザというときに「こんなはずじゃなかった」「こんなときは出ないの?」となりかねません。契約前に、「ご契約のしおり」の重要事項部分と約款の給付要件は是非確認してください。
■保証開始日
保険会社に申込書を提出しただけで保障がスタートするわけではありません。原則として、申込書と告知(診査)、第1回保険料の三点が揃ったときから保障が開始します。三点が揃う前に保険金や給付金が支払われるような事態になったとしても、保障開始前ですから支払いを受けることはできません。この点に注意しておきましょう。クレジットカード決済の場合は保障開始がさらに早くなります。ガン保険の場合は一般的に契約後90日を経過してからの保障開始となります。加入するときはいつから保証が開始するか、しっかり確認しておきましょう。
■クーリング・オフ制度
契約の申込をした後にも申込の撤回ができる「クーリング・オフ制度」があります。保険料を払い込んだ日から、その日を含めて8日以内(郵便の消印日付)に書面を発信することにより申し込みの撤回をすることができます。書面には、申込者の氏名、住所、領収書等の番号を記載し、申込書に押印したのと同じ印鑑を押印し、申込撤回をする旨を記します。申し込みを撤回しますと、払い込んだ保険料は全額返還されます。法律上はクーリング・オフが可能な期間を8日間は設けなくてはならないとなっていますが、保険会社によってはもっと長く設けているところもあります。
ただし、申込者が保険会社や代理店等の事務所などに出向いて契約した場合や保険会社指定の医師の診査が終わっている場合などはクーリング・オフができません。また、保険期間1年以内の契約や既契約の内容変更などは対象となりませんので注意が必要です。
■加入時には健康状態などを正確に告知する義務がある
保険は大勢の人が保険料を出し合って助け合う仕組みです。保険会社は契約者間の公平性を図るために、健康状態が極端に良くない人が加入するのを防いだり、保険料を割増にするなどの特別条件を付けた上で加入を引き受けるといった判断を行います。そのために加入時には、過去の病歴や現在の健康状態、身体の障害状態、現在の職業などを、保険会社所定の告知書に正確に記入しなくてはなりません。告知書を単なるアンケート程度のものと考える人が多いようですが、保険会社が加入者の選択を行なうための判断材料の一つであり、加入者の義務であることを忘れてはいけません。セールスの人やコールセンターの人に話しただけでは告知したことにはなりませんので注意してください。
告知の内容が事実と違っていたり、告知すべきことをしなかった場合は告知義務違反となり、保険金や給付金が支払われないことがあります。告知義務違反を問われますと契約は解除になり、保険金等が支払われないばかりか、それまで支払った保険料も戻ってきません。
告知書に記入する際には、契約上の大切な義務であることを認識しながら、うっかり告知漏れをすることのないよう正確に慎重に行なってください。わからないことや疑問点があれば、自分流に解釈しないで必ず生命保険会社などの相談センター等に確認をするようにしましょう。手間かもしれませんが、間違った情報を記入して後で苦労するよりは、よほど手っ取り早いでしょう。
■告知が不要なのは「無選択」タイプの保険だけ
告知が不要な保険は「無選択」タイプといわれるものだけです。「無選択」とは保険会社が加入に際しての選択を一切行わないということです。つまり、加入時に病気をしていようが、危険な職業についていようが、誰でも加入できるのです。選択を行わないということは、健康状態がよくない人からの申し込みが多くなる可能性が高く、保険金や給付金支払いが膨らむという危険を抱え込むことになり、保険会社にしてみればリスクを伴う行為です。この危険を回避するために、たとえ健康状態がよくない人が加入しても、健全に運営ができるような保険料設定や商品内容にしなくてはなりません。
そのため、給付金支払いの確率が高くなる可能性を織り込み、保障内容が同程度の医療保険よりも保険料が割高に設定されています。さらに、第1回目の保険料を保険会社が受け取った日から90日間の免責期間が設けられており、実際に保障が開始するのは91日目以降です。注意したい点は、契約前に発病した病気はもちろん、契約後であっても保障開始前に発病した病気、および、その病気と医学上重要な関係のある病気を原因とする場合には給付金支払いの対象になりません。つまり、現在治療中の病気はもちろん、保障開始前に発病した病気を原因としての入院や手術は保障の対象外となるのです。
「無選択」タイプ以外の生命保険に加入するときには、必ず告知をしなくてはなりません。ときどき通信販売などで医師の診査が不要で告知のみで加入できる保険を「告知不要」と勘違いする人を見受けます。告知を契約選択のため重要な材料であることを知らず、単なるアンケートだと思うのでしょう。しかし、簡単に加入できることと告知が不要ということはまったく異なります。営業マンが介在しない分、すべて自己責任で加入手続きを行わなくてはなりませんから、告知の重要性はさらに高まるとも言えます。
また、契約が2年間有効に継続すれば、加入時に病気の事実を告げない等の告知義務違反を犯していても、保険会社は契約を解除できません。約款に記されたこの条項を逆手にとって、「嘘をついても2年経てば大丈夫」と思っている方が多いようです。しかし、この条項には但し書きがあり、2年以内に保険金や給付金支払いの事由あるいは保険料免除事由が生じていますと、たとえ2年経過後であっても保険会社は契約を解除できる旨が記されています。
告知義務違反による解除だけでなく、約款には「詐欺および不法取得目的による無効について」の条項もあります。詐欺により契約締結が行なわれたり、給付金を不法に取得する目的で契約締結されたと保険会社がみなした場合、期間にかかわりなく契約は無効になります。もちろんすでに払い込まれた保険料も戻ってきません。保険会社が悪質だとみなせば、この条項が適用になる可能性があります。くれぐれも加入に際してはルールを守りましょう。
■給付金の受け取り
保険は契約することが目的ではありません。想定しているリスクが発生したときにキチンと保険金や給付金が受け取れなくては無意味です。保険会社はわざわざ「保険金が受け取れますよ」とは知らせてくれません。ご自身で請求することによって初めて受け取ることができるのです。
そのためには、どんなときに保険金や給付金が受け取れるのか、つまり、保険金や給付金の支払い要件を理解していなくては請求できません。入院給付金であれば、比較的わかりやすいでしょう。検査入院は給付対象外とか免責日数などの要件はあるにせよ、請求漏れという事態は考えにくいです。
しかし、「保険会社が定める特定疾病で所定の要件を満たしたとき保険金を支給」とか、「保障開始後に発生した不慮の事故によって所定の身体障害状態に該当したときは保険料免除」といった要件では、請求漏れになる可能性があります。
加入時に約款の支払い要件に目を通すことは、請求漏れを防ぐためにも大切なことです。あまりにも理解できない契約や、あまりに複雑な契約は避けたほうが無難といえます。
■家族の理解
保険という商品の性格上、必ずしも本人が請求できるケースばかりとは限りません。「死亡」はもちろんですが、「入院」や「特定疾病で所定の状態になったとき」などは、家族が請求せざるを得ないことも珍しくありません。せっかく保険に加入しているのに請求漏れといった事態にならないよう、家族に保険契約の存在を知らせておくことも大切でしょう。
保険契約の存在だけではなく、どんなときに保険金や給付金が受け取れるかを家族も理解しておかなくてはなりません。「入院したとき」といったシンプルな内容であればさほど心配は要りませんが、保障内容が豊富になりますと請求できることに気づかない可能性があるからです。せっかく保険に加入していても気づかず保険金を受け取れなければ意味がありません。つまり、保険に加入するときは家族も一緒に検討することが大切と考えられます。
■がん保険の場合は慎重に
がんにかかった場合、本人にキチンと告知をするという流れができていますが、まだまだ本人には知らせたくないと考えるケースがあるようです。がん保険や、がんと診断確定されたときに保険金が支払われる特定(三大)疾病保障保険などに加入するときには、がんになったときには告知をしてもらう意思があるかなど、自分がその保険を使いこなせるかどうかも検討材料の一つにしたほうがよいでしょう。
保険金や給付金を請求するためには、保険会社から請求書類を取り寄せたり、医師に診断証明を書いてもらうなどの手続きが必要です。がん告知をしていない場合、それらの作業を本人に知られないように行なわなくてはなりません。また、通常、保険金等は本人の口座に振り込まれますから、振り込みによってがんであることに気づく可能性もあります。入院給付金が倍額支払われていることで気づいたというケースもあるようです。
そして、加入する保険会社の情報管理や給付の迅速さも大切な要素です。がん治療をしながら、がんであることが誰かに知られるのではないかとか、いつになったら保険金等が振り込まれるのかを心配するのは精神的にキツイものです。給付の体制がどのようになっているかも考慮して保険会社を選びましょう。
